近年
古くから知られる性感染症
「梅毒」の患者が急増しているという
国立感染症研究所(感染研)によると
日本の梅毒患者数は、
2010年から増加傾向に転じ、
昨年は前年比1000人増(1600人→2600人)
今年も7月3日の時点で2019人
約半年間で2000人を超え、
年間4000人台に達する勢いだという
特に顕著なのが女性の感染者数
2015年は前年同期比約2倍の574人
その内の76%を15~35歳が占めている
厚労省によると、
特に20代前半の女性の感染が前年同期比2.7倍と増加
妊婦が感染すると死産や胎児に障害が起きる可能性がある為、
同省はチラシを配布するなど啓発を強化している
2016年
新潟県では男女逆転現象も
(検査する女性が増えた結果とも言える!?)
細菌の感染力が急に強くなったり、
薬が効かなくなったりしたという報告はないので
不特定多数との性行為が増えているというのが
最大の原因とされる
「昔の病気」という意識もあり
で感染に気付かないケースが多く
人から人に広げている…
梅毒の症状は?
梅毒は感染したその日には症状は出ず、
約3週間後から発症するのが一般的
性器や唇などにしこりやただれが起き、
進行すると全身に赤い発疹ができ、
重症化すると麻痺などを起こすこともあるという。
症状は3期までに分かれ徐々に重症化する
- 第1期(感染後約3週間)
…感染した部位(陰部、口腔内等)にしこり、
股の付け根部分のリンパ節が腫れる。
痛みがなく数週間で自然に消える。 - 第2期(感染後数か月)
…治療せず3か月以上を経過すると病原体が広がり、
手足や体全体に赤い発疹が出る。
数週間で消える場合があるが再発も - 晩期顕性梅毒(感染後数年)
…皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍が発生。
心臓、血管、脳などに病変が生じ、
場合によっては死に至る
※現代ではここまでの進行はほぼない
感染したかどうかを調べる方法は血液検査
感染したと思われる日から
十分な期間(約3週間)をおいて検査する必要がある
治療方法は?
1日3回のペニシリン系の抗菌物質の服用
2~8週間続ければ治癒するが、
一度治っても何度でも感染するので油断できない
何科に行けばよい?
検査はどこでも可
治療する場合
男性は皮膚科や性病科、泌尿器科
女性は皮膚科や婦人科
予防する方法は?
コンドームでは完全に予防できない
オーラルで感染することもあるので
リスクが軽減される程度
梅毒の原因「梅毒トレポネーマ」は目に見えない病原体で、
感染者の性器などの患部に多く存在し、
粘膜や皮膚の小さな傷などから侵入するので
オーラルセックスで咽頭部(のど)、
アナルセックスで直腸に感染する。
◆梅毒リスクから身を守る5カ条◆
(1)不特定多数の人との性交渉をしない
(2)最初から最後までコンドームを使用する
(オーラルセックスも安全とは限らない)
(3)自身に不安行為があれば、
パートナーに伝染さないために検査を受ける
(4)「この人に性感染症はない」と思い込まない
(5)感染・発症を繰り返さぬよう徹底治療